知ってそうで知らない? ダイヤモンドの品質

ブライダル・ジュエリー

DIAMOND

人生の節目を迎えている方が多いのではないでしょうか?

婚約・結婚・記念日・お父さんから娘へなど、主に男女間の節目が多いかと思います。

中でもやはり婚約指輪(エンゲージメントリング)にはダイヤモンドが最も人気で、宝石付きの婚約指輪において、90%がダイヤモンドとなっています。

でも、一生のうちでダイヤモンドを贈ることってそう何度もないですよね。

ダイヤモンドの品質って? ダイヤモンドの価格って?

このページではダイヤモンドの目利きのためにまず知っておきたい、品質のグレードやその評価基準となる“4C”について、その概要をわかりやすくご紹介します。

ダイヤモンド 4C

ダイヤモンドの品質を評価する基準として、1950年代にG.I.A(米国宝石学会)が開発した“4C”という品質評価基準が国際的に使用されています。

重さ Carat (カラット)

ダイヤモンドの「カラット」とは、どのようなものかご存じですか?
大きさと思われることも多い「カラット」ですが、実際には「重さ」の単位です。
しかし、実は国際的に正式な単位ではないのです。

カラットは宝石全般の重さを測る際に使われる重量単位のことです。
1.0ct=0.200gと定義されています。

大きなダイヤモンドは小さなダイヤモンドより原石が少なく、より希少価値が高まります。

そのため、1.0ctのダイヤモンド1個と0.1ctのダイヤモンド10個(あわせて1.0ct)を比べた場合、ダイヤモンドの重量は同じですが、1.0ct1個のダイヤモンドの方が希少性が高いため何倍も高い価値をもちます。

カラット重量が等しい2つのダイヤモンドは、ダイヤモンドの4Cの他の3つの要素、つまりカラー、クラリティ、カットにより、非常に異なる価値(と価格)を持つ可能性があります。

Carat 比較

上から1ct・0.7ct・0.5ct・0.3ct
左0.2ct 右1.0ct

まっく
まっく

ダイヤモンドの価格を決める大きな要素のカラットは、まずは自分の好みを尊重し、予算とのバランスを考え決めることをお勧めします。

ダイヤモンド Carat裏技 「マジックサイズ」

ダイヤモンドには「マジックサイズ」と言われる価格に与える影響のあるサイズがございます。

具体的には0.5ct0.75ct1.0ctが「マジックサイズ」と呼ばれます。

このサイズに着目してダイヤを選びますと、お得に購入できることがあります。

例えば、1.0ctの境目で考えた場合、1.0ct未満のものと1.0ctを超えるものを比較しますと、わずか6ポイント(0.06ct)程度の差でも、価格にすると約20%も変わってくるという結果をGIAも伝えているからです。

見た目にはほとんど違いがわからないほどの差ですので、カラット数にこだわらないのであれば、「マジックサイズ」にわずかに届かないカラット数のダイヤを購入するのがお得なのです。

色 Color (カラー)

ダイヤモンドは無色透明ではなく、実はわずかに色がついており、その色を表します。

ダイヤモンドは無色透明の「D」を最高とし、黄色味を帯びるにつれて「Z」まで23等級に分類されます。
ダイヤモンドは一般的に、その希少性から無色透明に近いものほど価値が高くなります。

婚約指輪用のダイヤモンドは、婚約指輪にふさわしい「純粋」「無垢」を連想させることからできるだけ無色のものが理想的とされ、「無色(Colorless):D・ E・ F」グレードのダイヤモンドが多く用いられます。

まっく
まっく

一般的にブライダルジュエリーで購入されるダイヤモンドのカラーは「G」グレードまでが多いようですが、実際の見た目は「J」グレードまでほぼわかりません。
色見の違いはあくまで専門家が見てわかる程です。

まっく
まっく

カラーに関してはいくつか店舗に行かれ、実際にダイヤモンドをご覧になることをお勧めいたします。

透明度 Clarity (クラリティー)

「VVS」のダイヤモンドと「VS」のダイヤモンドはクラリティに違いがあり、他の要素が同等の場合、価格においてかなりの違いが出ることがあります。こうした違いを知ることは、婚約指輪を賢く購入するうえで役立ちます。

「VVS」と「VS」のグレードはそれぞれさらに2つに分類され(VVSとVVS2、VS1とVS2)、その決定的なクラリティ特徴がダイヤモンドをフェイスアップ(ダイヤを真上から見た状態)で10倍の倍率で見たときにどれだけ容易に観察できるかを示します。

VVSダイヤモンド、VSダイヤモンドのいずれにも、ほとんどの場合肉眼では見えないクラリティの特徴があります。しかし、これらのダイヤモンドの価格差は最大30%にも及ぶことがあります。

1.00ct、Gカラーでエクセレントカットのラウンドブリリアント この2つのダイヤモンドの差が見分けられるだろうか?左はクラリティグレードがVVS1のダイヤモンドで、右のVS2のダイヤモンドよりも価格が15%高い。提供:Blue Nile(ブルー・ナイル)

VVSダイヤモンドとは?

上のクラリティグレード表のとおり、VVSダイヤモンドには、10倍の拡大で確認が極端に困難(VVS1)から、非常に困難(VVS2)な微小なインクルージョン(内包物)があります。

肉眼で確認できるインクル―ジョンを持つダイヤモンドが、クラリティグレードVVS1またはVVS2にグレーディングされることはありません。

インターナルグレイニングは、結晶の成長過程での異常により生じるインクル―ジョンで、直線状、角度のついた、またはカーブ状の外観を呈する。このダイヤモンドの場合、インクル―ジョンの性質とパビリオンでの位置から、クラリティグレードがVVS1となった。写真:Shane F. McClure/GIA
このダイヤモンドのクラリティグレードはVVS2である。10倍の拡大でフェイスアップでの確認が非常に困難な小さなフェザーを、赤い四角で囲んでいる。フェザーはダイヤモンドの4つの八面体面の1つに沿った割れ目から生じている。この例では、ダイヤモンドがセットされるときにフェザーはプロングで隠される可能性が高い。
写真:GIA

VSダイヤモンドとは?

VSのダイヤモンドには、10倍の拡大での確認が困難 (VS1) から、確認がある程度しやすい(VS2) 範囲の小さなインクル―ジョンがあります。

あらゆる種類のインクル―ジョンの可能性がありますが、いずれもダイヤモンドのサイズに比して非常に小さいものです。

このダイヤモンドのクラリティグレードはVS1である。10倍の拡大でフェイスアップでの確認が困難な小さなフェザーを、赤い四角で囲んでいる。ただし上のVVS2の例とは異なり、セッティングで隠すことができない。写真:GIA
このダイヤモンドのクラリティグレードはVS2である。フェイスアップで10倍の拡大で石を観察したときに容易に確認できるテーブル付近のフェザーを、赤い四角で囲んでいる。写真:GIA

輝き Cut (カット)

ダイヤモンドの輝きや煌めきを決定づける一番大切な要素は“Cut ”です。

カットは宝石の輝きに大きな影響をもたらします。

ダイアモンドは『輝き』が魅力の大きな部分を占める宝石ですから、カットの善し悪しが特に重要です。

そしてカットは価値にも影響を与えます

ダイヤモンドの輝きの秘密

ダイヤモンドって、原石だとあまり輝いていないって知っていましたか?

ダイヤモンドは人の手で「カット」することで、光を取り込み反射して、輝きを放つようになります。

ただ、輝きの秘密はカットだけではありません。

ダイヤ以外の透明な石をカットしても、ダイヤほどの輝きは得られないことがほとんど。

ダイヤならではの輝きを生む特徴は、「屈折率の高さ」です。
※屈折率とは、光が空気中から物質の中へ入り、通り抜けるあいだに折れ曲がる度合いのこと

まっく
まっく

ダイヤモンドはたくさんある鉱物の中でも特に屈折率が高く、内部で光をよく反射させるため、輝きが強く見えるんです。
つまり、「高い屈折率」と「優れたカット」がダイヤの美しい輝きの秘密なんですね。

カットは主にプロポーションフィニッシュで構成され、この2つが優れているとき、ダイヤモンドから光が放たれいるような輝きや煌めきが生まれます。

  • ポリッシュ(表面の研磨の仕上げ状態)は研磨の質を判断するもので、宝石の光沢などに影響を与えます。
  • プロポーション(カットの総合評価)は宝石内部で反射する光の量に大きく影響を与えます。

質の低いフィニッシュによって宝石の輝きが決定的に失われることはありませんが、悪いプロポーションの場合には宝石は輝きを失って魅力に乏しいものとなります。

したがって、ダイヤモンドの輝きや煌めきに大きな影響を与えるプロポーションの善し悪しは、フィニッシュよりもカット評価に強く影響します。

輝きの種類は3つある!

ダイヤモンドの輝きは3つの要素でできています。

  • 明るさ(Brightness)
  • 七色の光(Fire / Dispersion)
  • きらめき(scintillation)

この3つの要素は光の特性とダイヤモンドの性質によって生み出され、この要素を最大化させるためにダイヤモンドのプロポーションが考えだされました。

明るさ Brightness/Brilliance
良いカットならこんな風に、ほぼ100%の光を上へ返すことができます。

ダイヤモンドの明るさは表面で反射した光と、ダイヤモンドの内部で反射して再び外に出てきた光の量で決まります
「ブリリアンス」「ブライトネス」と呼ばれます。

光をうまく反射させるには、カットの質が優れていることが大切です。

   七色の光    Fire / Dispersion

ダイヤモンドに入った光が内部で反射するときにプリズムの効果で再度外に出るときに虹色のように光が分散されることを指します。
「ディスパージョン」「ファイア」と呼ばれます。

きれいなディスパージョンを放つ適度な屈折率の高さ、という点でもダイヤモンドは特別な宝石かもしれません。

   きらめき   Scintillation

ダイヤを動かしたときなどにきらきらと瞬くように見える光のこと。
「シンチレーション」と呼ばれます。

ダイヤモンドを動かしたり目線を変えることできらめきや明暗模様が動き変わることが特徴です。

最高の輝きを選ぶには?

個人的な話になってしまいますが、私がダイヤモンドを選んだ基準は「ブライトネス(明るさ)」でした。

ディスパージョン(七色の光)は屋外より屋内の暗いところで見るとよく見えます。ただ、近くで見ないと虹色は分かりません。
そして、シンチレーション(きらめき)やディスパージョンはダイヤ以外の物質でも普通に見られる光です。

ところが、ブライトネス(明るさ)はダイヤモンド特有の輝きであり、遠目からでもキラリと光る、誰が見ても分かりやすい強い輝きです。

せっかくダイヤを購入するのであれば、屈折率の高いダイヤ内部で反射を繰り返すからこそ生まれる、ブライトネスに着目すると良いかもしれません。
そして、ブライトネスに着目すると言うことは、Cutグレードに着目するとよいでしょう。

輝き Cut (カット) グレード

婚約指輪などで最も多く使われる58面体(キューレット面を除くと57面体)の「ラウンドブリリアントカット」は、ダイヤモンドに注がれた光を最も効率よく光学的に反射させる形として考え出されました。
カットの評価基準が決められている唯一の形でもあります

ダイヤモンドの“カット”は、その形状(シェイプ)のことと思われることがありますが、カットグレードのカットとは研磨技術を駆使した人の手によってなされたものです。

ダイヤモンド職人やダイヤモンド会社の思いが渾然一体となって表現されているのがカットグレードなのです。

下の写真は、ダイヤモンドのカットグレードが左からExcellent、Good、Poorのダイヤモンドを表示しています。

Excellent

Excellentのダイヤモンドは非常に明るいです。
明るいエリアと暗いエリアのほどよいコントラストを示す均一のパターンを現し、鮮明なバランスの良い反射が見えます。
これはカッターが原石を最大限に利用したということです。

Good

Goodのダイヤモンドはそれほど明るくなく、反射もそれほどはっきりせず、ダイヤモンドに暗がりやくすみがあります。

Poor

Poorのダイヤモンドは暗がりやくすみのエリアがずっと多く、輝きが弱いです。

3EX・H&C / H&Cダイヤモンドとは

3EX・H&C トリプルエクセレント・ハートアンドキューピッド
   H&C ハートアンドキューピッド

ダイヤモンドは、テーブルとキューレットが共にセンターに位置しており、形状がシンメトリー(左右対称)になっていると、光の反射によりハートの形とキューピッド(矢)の形が浮かび上がります。

【ハート&キューピット】
光学的に完璧な対称性のあるダイヤモンドにのみ、専用のスコープで覗くと、ダイヤモンドに8つのハートと、8本のキューピットの矢の模様が現れます。

反射を必要とする各ファセット(カット面)が角度や面積等、非常に高い精度で研磨されていないと光が綺麗に反射せず、美しいハート&キューピッドパターンを映し出すことはできないのです。

さらに、ダイヤモンドに含まれるインクルージョンがハートやキューピッドの形状に大きく影響を及ぼしている場合や、丁寧なフィニッシュが施されず、ハートやキューピッドが鮮明に見えない場合はH&Cとは呼ばれません。

つまりH&CはCUTだけにとどまらず
高品質のダイヤモンドにのみ許された称号といえるのです

3EX・H&Cは、プロポーション(全体のバランス)、シンメトリー(対称性)、ポリッシュ(研磨の良し悪し)の3項目全てがエクセレント評価のこと

4C まとめ

ダイヤモンドの価値は、4Cで決まります。
4Cは、専門家がダイヤモンドの特徴を比較し、価値を厳密に定めるための基準です。

この4つのCをどのようなバランスで選ぶかはあなた次第です。
どのダイヤモンドに価値を見出すか?どのダイヤモンドを選ぶか?はあなた次第です。

ここで個人的な意見を述べさせていただきますと…

  1. 予算を決めましょう。
  2. お店には必ず相談に行きましょう。
  3. Cutは注目しましょう。

1. 自分の支払い能力を理解し、無理のない予算を設定しましょう。自分の支払い能力以上の買い物をしても誰も幸せにはなりません。

2.ダイヤモンドは実際に見てみないとその価値はわかりません。4Cのバランスをどのように決めるか!お二人でよく話し合って(サプライズは別)、コンシェルジュと相談して決めることをお勧めいたします。

3.他の3つ要素はダイヤモンドが生まれつき持つものであることに対して、Cutは人の手で加えられる要素となります。
職人の技によって、そのダイヤモンドが持つ良さを引き出し、輝けるかどうかが決まります。逆に言うとCut次第で、ほかの要素を下げることができるかもしれません。
これも実際に見てみないとわからないことです。

鑑定書 鑑別書

鑑定書 / 鑑別書の違いをご存じでしょうか?
同じような言葉ですが、実は全然意味が違うんです!

その違いを知るとジュエリー選びの引き出しがまた一つ増えると思いますので、ぜひ覚えて下さい。

鑑定書

日本では一般に鑑定書と呼ばれていますが、正式には”ダイヤモンドグレーディングレポート”と言い通常1個の石に対してのみ鑑定・評価されます。

4Cという基準に基づきダイヤモンドをグレード(ランク)分けした結果をいいます。
つまり、ダイヤモンドの成績表のようなもので、ダイヤモンドにしか発行されません。

※鑑定機関は国内2大鑑定機関であるCGL(中央宝石研究所)とAGT(AGTジェムラボラトリー)並びに、GIA(米国宝石学会)の3鑑定機関となります。

ラウンドブリリアントカットは4Cで、それ以外の形にカットされたダイヤモンドは3Cで品質評価されます。

3mm以下のメレダイヤは鑑定書を発行できません。
また、枠にセットされているダイヤは鑑定することができません。

鑑別書

鑑別とは、宝石あるいは宝石につかわれる素材を、科学的検査を行った上で、その生成起源
(何でできているのか)及び種類を調べることをいいます。
簡単に言うと本物かどうか調べてくれるということです。

鑑別書はその内容をまとめた書類です。

ちなみに、どんな石でも発行可能です。
極端な話、道で拾ったキレイな石を鑑別してもらい何の石かを調べてもらうこともできるのです。

鑑別書が付いているからといって、価値のある宝石ということではありません。
鑑定書がダイヤモンドの成績表なら、鑑別所は宝石の身体検査です。
その宝石の価値を保証したものではありません。

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