最近よく聞く熟成肉って?

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熟成肉

昨今、健康志向から赤身ブームが襲来し、中でも熟成肉が話題になっています。
ファミレスなんかに行っても熟成肉の名前を見かける事が増えたと思います。

そんな熟成肉ですが、実は「本当の意味での熟成肉」ではないものが増えています。

熟成肉とは?

熟成肉とは、一般的には牛肉のタンパク質を牛肉自身の酵素によって分解させたものです。
これにより、肉質がやわらかく、旨みが増すのです。

また、和牛のような脂の多い肉より、赤身肉の方がより柔らかく熟成に向いているといわれています。

熟成肉にはドライエイジングと、ウェットエイジングが存在します。
実はこれら2つの熟成肉が消費者をこんがらがらせているのです。

ドライエイジングビーフ(乾燥熟成肉)

アメリカ合衆国を本場とする熟成肉の事で、本当の意味での熟成肉はこちらのドライエイジングです。
ブロック肉もしくは枝肉(半身)を乾燥熟成庫内にぶら下げ、温度0~3℃、湿度60~80%2週間~2ヶ月間保管します。
このとき温度が低すぎると、凍ってしまい、高すぎると腐ってしまうので非常に手間を要します。

表面が乾燥したり、青カビに覆われたりしますが、それにより他の菌を防ぎ、腐敗を防ぎます。
完成した熟成肉は、表面をそぎ取ると中には熟成された真紅の肉が詰まっています。

表面をそぎ取るため最初の重量の60%程に減ってしまいます

以下のような特徴を持ちます。

  • ナッツのような独特の芳香
  • アミノ酸の増加による圧倒的な旨み
  • 通常の肉より柔らかく、さっぱりとしている。

これにより、ドライエイジングビーフは、全米のステーキハウスで大きな謳い文句になる程の商品価値を生んでいるのです。

しかし、製造の難しさ、歩留まり(生産効率)の悪さ等から、一般的な価格では販売できず、本当の意味での熟成肉はなかなか手に入らないのです。

ウェットエイジングビーフ

日本国内では熟成肉と呼ばれるもので、名前のとおり乾燥させず真空包装内で熟成を行うものです。
ドライエイジングに対し、コストも低く簡単なため、国内では一般的になっています。

肉を数日寝かせるとことで肉質はやわらかくなりますが、風味などの向上はありませんし、ドリップが多く出てしまう点も指摘されます。

ウェットエイジングは、冷凍保存より保存期間が減った分、肉質が柔らかくなる位のものと考えるのが無難です。

国産の”熟成肉”はほとんどがウェットエイジング

熟成肉がブームになり、ファミレス牛丼屋などの大手外食チェーンでも熟成肉を謳い文句にしたメニューを良く見かけます。
しかし、そのほとんどはウェットエイジングです。

熟成肉に明確な決まりはなく、消費者のほとんどは、ドライエイジングとウェットエイジングの違いを知りません
ドライエイジングとウェットエイジングの表示をはっきりさせず、「熟成肉」と一括りにしてしまうのは如何なものでしょうか?

熟成肉まとめ
  • うまみの強い熟成肉はドライエイジングビーフ(乾燥熟成肉)※熟成期間35日~45日くらいが基本
  • 時間もかかり、生産性も悪いので高価な傾向がある
  • 国産の”熟成肉”はほとんどがウェットエイジング※ドライエイジング表記の店は除く
  • 熟成なのか?腐敗なのか?制度が整っていないので、設備や製造方法がしっかりした、信頼できるショップを探すことをお勧めいたします。

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